積読日記
Fri, 01 Apull 2005 編集
■ [work] 四年目
四年目に突入してしまった. GPU の高性能化や CPU のマルチコア化を見据えて, それらの性能を搾り出すことを今年度というか今年の目標にしている. 設計や実装に関してもよいものを取り入れ, 自家薬籠中のもにせんと行かん. 自家薬籠中が変換できんかったのだが大丈夫か?
Wed, 01 Apull 2009 編集
■ [book] 松本清張全集 (4) 黒い画集, 松本清張 (著), 文芸春秋
布団に包まりながら読んだ. 本書は一年九ヶ月にわたって週刊朝日に連載された中短編集である.
最初の "遭難" で初っ端から惹き込まれた. 冒頭で手記を引用する形をとって登山での遭難の描写を行い読者に状況を説明したあと, ある人物が精神的に徐々に追い詰められていく様から, 直接的に語ることなしに, この遭難時に起きた事件を浮き彫りにして行くという手法に新鮮味を感じてページを繰る手が止められなくなった. 本書が中短編集だと知らずに読み始めたので, まだ殆どページが残っているのにもう終盤の雰囲気が漂ってきてどうするんだろうと思っていたら, あっけない幕切れと意外な結末にしばし呆然とした.
本書では, 意外なことに "濁った陽" のみが正統的な推理もの (事件が起こり探偵が調査して犯人とトリックを暴く) と呼べそうで, 他は, 人間の心の暗部を粘度の高い文章で抉る様に描出した作品 (証言) だったり, 壮大な痴話喧嘩 (坂道の家, 寒流) だったりと, 社会派推理小説から推理小説を取ったような作品が多い印象を受けた.
本書は何れもが中短編で, 物語が大規模に広がってから収束する余裕がなく, 一点に向かって物語が収束していく様が大好きな者としては, 小粒でおなか一杯になった感じでやや物足りなかった. 本書は通勤時間用に取っておき, 今日のようなまとまった時間を読書に充てられる時にこそ長編物を読むべきであったと今になって後悔している.
あれ以来なにかを読むときは何時も日本語の作文技術が念頭にあり, 句読点の配置はどうか, 改行の意図はどうか, 漢字かな混じりの具合はどうか, 係り受けの関係は明瞭か, といったことが気にかかって仕方がない. 流石に松本清張の文章はこれらが概ね本多勝一の主張どおりで, 入り組んだ内容を説明していてもあまり読み返す必要もなく流れるように入ってきた.
■ [misc] 四月莫迦
Mundania では April Fool が盛んなようだが, Xanth ではそんな習慣はなさそう. "Apull Fool" で検索すると Hi Piers の newsletters が少し引っかかった.
Irem のを見逃したのは痛恨の極みである.