積読日記
Sat, 14 Jewel-Lye 2007 [長年日記]
■ [book] 漢字三昧, 阿辻哲次 (著), 光文社新書
マニアックな漢字がこれでもかと出てくる本かと思ったら違った. 日本だけではなく中国での漢字事情も紹介し, 漢字に対する向き合い方を考えましょうと締めくくっている.
文化大革命というと, 大地の子で描かれていたような思想統制による社会混乱くらいの認識しかなかったが, 簡体字を策定し識字率を上げる動きもあったとのこと.
常用漢字が 1945 字で, 漢字検定準一級が 3000 字を, 一級が 6000 字を対象にしている中で, 漢和辞典の類には 5 万字や 8 万字もの大量の漢字が収録されている. このほとんど使われないであろう漢字がどういった素性なのかということを紹介している.
漢字の作られ方は, 小学校で習うようにその対象の形から作られるのは勿論だが, それ以外にも三種類の方法があり, 合計で四種類になるという.
現在では漢和辞典の検索方法として, 部首や総画数から引く方法が一般的だが, 昔は部首数がもっと多かったり, 編者の独創的な感性で分類されており検索が困難だったとのこと. また現在でも部首の分類は揺れている.
最後に異体字 (同じ漢字を異なる字で書くこと) の問題点を挙げている.
今はコンピュータで容易に漢字が出せるので特に異体字に気をつけつつ使い方を考えんといかん.
■ [programming] コレクションのベストプラクティス
MSDN Magazine August 2007 の記事を読んだ. .NET のコレクションとの付き合い方の解説記事. できるだけ .NET にあるものを使い, やむない場合はまずは既存のコレクションをカスタムすることで何とかできないか考えるという, 何でも自分で作りたがる欲を抑制してくれる記事になっている. また, .NET 2.0 から利用できるようになっている generics (C++ の template に近いがちょっと違う) の利用も推奨されている. generics の利点として, generics を利用しない場合に発生する cast が遅いことを強調しているように読めたが, generics はコンパイル時に型が保証されていて, 実行時に型を間違えた例外が発生しないことこそ真骨頂のはず.
ともあれ, 普段は実行速度が必要とされて, 抽象度の高い世界でコードを書く機会が少ないのでこういった記事を読むだけでも楽しい.